劇団四季ミュージカル アンデルセン インタビュー

劇団四季ミュージカル アンデルセン インタビュー

世界が愛する物語
劇団四季 ミュージカル
アンデルセン



「親指姫」「みにくいアヒルの子」「人魚姫」など、誰もが知る物語を数多く手掛けた世界的童話作家のハンス・クリスチャン・アンデルセン。ミュージカル「アンデルセン」は、若きアンデルセンが切ない恋と挫折を経て新たな人生を歩み出すまでを描いた作品です。日本とデンマークの国交樹立150周年に当たる2017年、全国78都市で107公演を予定しています。

10月8日(日)
18時開演
上演時間2時間20分
(休憩含む)

レザンホール大ホール 全席指定 S席8,500円 A席6,500円
※3歳以上有料

 

 


松島勇気さん 小川美緒さん 鈴木涼太さん

美しい音楽とクラシックバレエで彩り
大人にこそ響くミュージカルに・・・

劇団四季は6月30日、横浜市の四季芸術センターでミュージカル「アンデルセン」全国公演の稽古を報道関係者に公開しました。続いて行われた合同取材会より、メインキャストのメッセージをご紹介します。(*キャストは変更する場合があります)

「格好つけずに全身全霊で演じたい」
ハンス役/鈴木 涼太さん

 初めてハンスを演じます。『アンデルセン』は最初に見た劇団四季作品で、入団するきっかけになった作品です。ハンス役にあこがれていましたが、こうして夢が現実になる過程ではプレッシャーもあり、恐怖も感じました。台本を開いたら最初から最後までほとんどがハンスの台詞で、量の多さにびっくり。正直、台本1冊を自分の体に入れるのにも苦しみました。以前『ウエストサイド物語』で共演した松島くんに「涼太くんはハンスがぴったりだよ」と励ましてもらって「がんばろう」と。この役を演じた歴代の先輩方に直接指導を受けられることも大変ありがたく、幸せに思っています。

 今まで自分がやってきた役は二の線で、『オペラ座の怪人』のラウルにはクリスティーヌ、『マンマ・ミーア!』のスカイにはソフィーという相手役もいましたが、自分にコンプレックスを持つハンスは、誰にとっても身近な役どころ。格好つける役ではないので、素のままの自分を、役を通して表現できたらと思います。アンデルセンは童話のイメージが強く、子ども向けの作品と思われるかもしれませんが、ハンスの恋愛を軸として人の心の温かさや、人と人の心がふれあう美しさ、苦悩しながらも常に前進していく姿を描いていますので、幅広く楽しんでいただけると思います。ぜひ大人の方にも見ていただきたいですね。

 かわいらしい曲からバラードまで、美しい音楽もこの作品の魅力です。劇場が華やかに明るくなる「ワンダフル・コペンハーゲン」のシーンでは1回で覚えられるフレーズもあり、口ずさみながら帰っていただけるのではないでしょうか。周りの出演者は劇団四季の中でもオーディションを勝ち抜いてきた優秀なダンサーたちで、幼い頃からバレエを習ってきた“トウシューズを履けるバレリーナ”ばかり。その中で音楽系の出身の私が、苦労しながらも頑張ってセンターで一生懸命踊りますので、皆さん温かく見守ってください(笑)。全身全霊、この役に自分の体と心を捧げています。

 

「美しく心たかぶる人魚姫のバレエ」
マダム・ドーロ役/小川 美緒さん

 私が演じるドーロは、芯が強くてストレートな女性。芸術家という面では、鋭さや周囲とぶつかり合う面がありますが、優しく女性らしい女性として演じられたらと思い、日々取り組んでいます。前回2009年にこの役を演じた時は、私自身若くて経験も浅く「娘っぽくなりすぎるからもっと低い声を使いなさい」と言われてしまうようなアプローチの仕方でした。その後いろいろな役をやらせていただき、今回改めて台本を読んでドーロという女性にとても共感できる部分があり、いろんなことを自分の中から発想することができました。

 ハンスがドーロのために書いた作品という設定の「人魚姫」のシーンは、1幕では王道なクラシックバレエのスタイルを見せ、2幕ではハンスの語りの中で彼の言葉や人魚姫の気持ちを踊りとして体で表現します。心の動きが大きいシーンなので、台詞はありませんがお芝居の延長で演じていると、自分の心もわーっと動くんですね。最終的にはつらいお話ですが、きれいなシーンで、エネルギーは使うけどすごく楽しいです。自分が踊るようになり、表現者として関わったことで、小さい頃に母が読み聞かせてくれていた「人魚姫」の話をより好きになりました。今回は蛸やクラゲなど深海の生物や、人魚姫が会いに行く魔女の衣装も一新し、色鮮やかでとてもチャーミングですよ。

 私自身も含めて、関わっている人みんながこの作品を好き。自分が登場するシーンやバレエシーンの前は、力が入って緊張するのですが、そういう時にハンスの「親指姫」やみんなの「ワンダフル・コペンハーゲン」を見ると、本当にあったかくて、自分も出演者なのにすごくエネルギーをもらえます。みんながひとつになって稽古しているので、こんなすてきな作品の中で自分がドーロとして立たせてもらえること、本当に幸せだなと。見に来てくださる方も一緒に楽しんで、共感して、エネルギーを受け取ってもらえたらと思います。

 

「ジャズとバレエの踊り分けも見どころ」
ニールス役/松島 勇気さん

 コペンハーゲン・ロイヤルバレエ団のプリンシパル・バレエダンサーで、振付家であり総合演出家であり、カンパニーを統べる生粋の芸術家のニールス。芸術に関しては妥協を許さない厳しさを持ち、ドーロにもきつく当たってしまうけれど、舞台を離れれば甘え上手なかわいい男。つっけんどんで嫌味ったらしいと思われがちだがそうじゃなく、ただまっすぐなだけ――。6年ぶりにニールスをやることになり、今までこの役を何回もやっていた割にはニールスをわかっていなかったな、という思いです。今回はニールスという人物像が自分の中ですごく深められ、すごくチャーミングな人なんだと。もちろん今までも一生懸命やってきましたが、やっと本当に『アンデルセン』に出られたという感じがしています。

 ダンスシーンは、ジャズとバレエの使い分けが大変でした。アップテンポで裏取りで、地に足をつけて重心を低くするジャズと、頭取りが多く重心の引き上げの大事なバレエではスタイルが大きく違うので、そこが見どころにもなっていると思います。ジャズを踊った人たちが一転して華やかなバレエを踊ると、同じ人が踊っているのに、違う人のような錯覚を起こすほどで面白いですよ。

 『アンデルセン』はしなやかで繊細で、終始心地よい空気が流れている作品です。劇的な事件が起こったり、大スペクタクルミュージカルというような作品ではないですが、終わった後にほっこりして「はあー、よかったなあ」とため息をつくような作品。それを全国の方にお届けできるのは非常に嬉しいです。全国のお客さんがこの作品を見て癒やされるように、一生懸命伝えていきたいです。

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